出発
2013.04.26 Friday 01:23
バックパックを背負う夢をよく見ます。
夢なのか、2年前の記憶なのかよくわからないけど、
その風景が未だに頭の先から重りを垂らしたように背筋を伸ばしてくれます。
旅先で滞在している街をブラブラ歩いてる時は、バックパックを背負わずに身軽な格好で歩いていました。だからあまり実感がなかったのです。
それよりも、その街を離れる時。
宿でバックパックにすべての荷物を詰め込み、忘れ物がない事を確認し、
15kgほどのその巨体を背中に乗せる瞬間、
それが自分が旅人だなぁと実感する時でした。
どんな場合であっても私たちは今を生きている限り
理想の過去に着陸する事はできない。
想い巡らすことはあっても、その記憶もだんだんフェイクされ、
都合のいい物に変わってしまう。
今という時間は、いい時間であればあるほど、なんて儚く残酷なものなのでしょうか。
『ひとつの物体は、ひとつの時間に、ひとつの場所にしかいられない』
byアインシュタイン
だから私はいつも思うんです。
荷物をまとめるという事は、そこには二度と戻れないという事。
何があっても。
時間は常に前に進んでいるし、後には戻れない。
どんなに大好きな土地も、大好きな人も。
笑顔でハグをして手を振る。
旅を続けるかぎりはそれが条件です。
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